2018年の予測:クラウド、サイバーセキュリティ、データセンター、IoT、ネットワーキングにおけるエキスパートの比重

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    2018年になって1か月が過ぎ、年始恒例の、業界のアナリスト、エキスパート、専門家による予測合戦もようやく落ち着いてきました。私たちの複数の主要事業分野について、コミュニティにとって有意義な予測を何件か集めました。ここでは、クラウド、サイバーセキュリティ、データセンター、IoT、ネットワークの今年の動向に関して、信頼できる情報源の意見を一部ご紹介します。

    クラウド

    IDG が発行する雑誌 『Network World』 では、2018年はプライベートクラウドとパブリッククラウドが混在するハイブリッドクラウドの 「受容の年」 になると予想しています。『Network World』 の記事 「 2018年のハイブリッドクラウド市場に関する5つの予測 [英語] 」 では、IDC の研究者のデータを引用し、従来型のデータセンターが減少する中、プライベートクラウドとパブリッククラウドの両方が IT インフラストラクチャの支出に占める割合はますます増加していることを示しています。

    『Network World』 によると、組織は2018年の間パブリッククラウドとプライベートクラウドの適切なバランスを模索し続けます。また、「アプリケーションがどのようなインフラストラクチャ環境でも確実に実行できるように」 コンテナの使用が増えることも指摘しています。

     2018 Cloud Predictions.jpg AI および機械学習は、デジタル変革の議論の一環として定期的に出現するようになっています。『Network World』 では、AI と機械学習は遅かれ早かれクラウド業界の次の勢力になる可能性があるとし、「2018年は、プライベートクラウドとハイブリッドクラウドのベンダーが機械学習と AI 機能をこうした環境にどのように組み込むかについて話し合う年となると予想しています。」 と述べています。

    IDG が発行する別の雑誌 『CIO』 も、「 2018年のクラウド予測 [英語] 」 という記事で機械学習と AI を取り上げています。「私たちはこれから、機械駆動の知識やオートメーションが、モニタリング、インシデント管理、コスト管理、構成管理を動かしていく様子を目にすることになるでしょう。」「その最終的な結果は、コスト削減、セキュリティ向上、SLA の改善、性能アップです。」

    サイバーセキュリティ

    サイバーセキュリティが2018年も引き続き重大な懸念事項であると言うだけなら誰でもできますが、ここではもう少し掘り下げて見てましょう。『eWeek』 誌 (旧 『PC Week』) は、18人のセキュリティエキスパートにこの1年の予測を共有してもらっています。ここでは、「 2018年に組織が強化する必要のある18のサイバーセキュリティトレンド [英語] 」 というタイトルのスライドショーから、重要事項をいくつかご紹介します。

    • 2017年からの課題、特にランサムウェアは今後も継続します。
    • サイバー犯罪者が機械学習を使用して人間の行動を模倣し、サイバーセキュリティ業界も脅威に対応する技術を採用することから、「AI 対 AI」 の様相を呈してくるでしょう。『eWeek』 のエキスパートであり、IBM 出身のカレブ・バーロウ氏は、これを 「サイバー犯罪とセキュリティイノベーションのいたちごっこ」 と呼んでいます。
    • アフリカは今後脅威が進行する地域であることが証明されるでしょう。もう1人の IBM のエキスパートであるスティーブ・ストーン氏は、このように述べています。「技術の導入と運用の拡大、経済成長、さらに現地住民の中で脅威を与える役者が増加していることから、アフリカには、まったく新しい、インパクトの強いサイバーイベントが発生する可能性が最も多く存在します。」
    • サイバーセキュリティは純粋にリスク領域であると見なされがちですが、将来を見据える力がある CEO は、サイバーセキュリティをイノベーションと ROI を生むための手段として考え始めています。KPMG のグローバルサイバーセキュリティプラクティス部門の共同代表者、グレッグ・ベル氏によれば、「2018年以降、効果的なサイバーセキュリティ対策は、事業の拡大を目指す中でセキュリティ、プライバシー、事業継続性管理を変革しようとしている企業をサポートするでしょう。」
    • HTTPS は強力なセキュリティとエンドツーエンドの暗号化を提供するという点では不十分であると見なされ、その結果、データを HTTPS 経由で送信する前に暗号化するという機運が高まります。
    • ヘルスケア業界は今後も大きな利益を生むターゲットになります。 2018 Cybersecurity Predictions.jpg
    • オートメーションは、膨大に広がるセキュリティスキルのギャップに対抗し、高度な分析を活用するための手段として、最高情報セキュリティ責任者 (CISO) にとっての優先順位がさらに高まります。
    • プラントの製造業者は、強化されたセキュリティを第三者機関に任せるだけでなく自社で提供することで、業界のセキュリティ危機に対して目を覚ますでしょう。
    • データの保護に関して、企業は自社の既存のネットワークセキュリティ展開が不十分であることを認め、データセキュリティに明白に関連しているソリューションを実装するようになります。

    『eWeek』 のスライドショーには他にも数多くの示唆に富む予測が挙げられていますので、 詳しくご確認ください [英語]

    データセンター

    データセンターに関して、再び 『Network World』 からいくつかの予測をご紹介します。『Network World』 は、IDC の研究に依拠して、その記事 「 データセンターに関する予測上位10:IDC [英語] 」 でデータセンターの近代化を最も重要な変化のリストのトップに置いています。

    「オートメーション技術は IT インフラストラクチャだけでなく、電力や冷却インフラストラクチャなどの重要なインフラストラクチャにも含まれ、資源のさらなる有効活用と、資産管理の改善を推し進めます。」 IDC のデータセンターのトレンドおよび戦略チームの研究ディレクター、ジェニファー・クック氏はこのように述べています。

    この近代化を進めているのが、次世代のアプリケーションや新しい IT インフラストラクチャの高い作業負荷の需要です。クック氏はさらに、「重要なインフラストラクチャからリアルタイムのデータを収集して分析する能力を開発することは、特に分散型で多様なデータセンターエコシステムでは今後当然のことになるでしょう。」 と付け加えています。

     2018 Data Center Predictions.jpg データセンター環境のもう1つの変化は、非常に強く求められているアジリティと効率を達成するために、ソフトウェアデファインドモデルへの動きが増加することです。そしてこれは、エッジでのより多くのアクティビティを推進します。組織によっては、この変化に対処できる人材を見つけるという課題が生まれるでしょう。

    「これはスキル不足を高めるだけです。」 と、IDC のデータセンターおよびクラウド担当バイスプレジデント、リチャード・ヴィラール氏は述べています。彼はさらに、ソフトウェアデファインドインフラストラクチャをデータセンターおよびエッジ環境に実装することを企業が考える場合、サービスのオーケストレーション、導入プロセスやプロビジョニングプロセスのオートメーション、さらに資産再利用のチームスキルを構築することに注意する必要がでてくることを付け加えています。

    『Network World』 の2番目のデータセンター予測記事、「 2018年の技術予測:ウォッチすべきデータセンターのトレンド [英語] 」 では、ハイパーコンバージドシステムの興隆が指摘されています。「ハイパーコンバージドシステムとは、ストレージ、仮想化、ソフトウェアデファインドのすべてが事前に構築され、事前に構成されている完全統合型サーバーです。すでにこの流れを止めることはできず、今後も加速を続けるでしょう。」 と明記されています。

    IoT

    IoT に関する予測については、シスコ独自の情報源として、シスコのコーポレートテクノロジーグループのバイスプレジデント、マチェイ・クランツ氏の言葉をご紹介します。ブログ記事 「 IoT:2018年の5つの予測 [英語] 」 で、クランツ氏は2018年を IoT にとって刺激的な年になると考えています。その1つとして、「エンタープライズの IoT プロジェクトはついに、単なる既存の事業プロセスの自動化の枠を超えて、まったく新しい収益の流れと事業モデルを生み出すことで、業界を本当の意味で変革する段階に移ります。」 と述べています。

     2018 IoT Predictions.jpg クランツ氏によれば、IoT を推進するものは AI、フォグコンピューティング、ブロックチェーンなどの相乗作用を持つ技術です。IoT に収束することで、AI や機械学習は IoT のデータストリームをより深く分析できるようになり、より洞察力に優れた意思決定が推進されます。フォグコンピューティングは、クラウド機能をネットワークのエッジにまで拡大するその能力により、IoT システムの拡張性を高め、レイテンシ、帯域幅、信頼性、コストなどの問題に対処できるようになります。ブロックチェーンによって IoT データの取引はより安全になり、デバイスの間に一元的な信頼される中継地点を置く必要がなくなります。

    最後のポイントとして、クランツ氏は2018年に IoT の安全性がエンタープライズの最優先事項になると予測しています。この一環として、組織は従業員が IoT の安全性の懸念に対処するスキルを培うための取り組みを増やすでしょう。「IoT の導入開始時点から、セキュリティチームとサイバーチームを関与させることで、IoT の安全性に関して一体型のポリシーベースのアーキテクチャアプローチを採用し、エンタープライズ全体で包括的な戦略を実装する企業が増えるでしょう。」 とクランツ氏は述べています。

    ネットワーキング

    古き良き基本ネットワーキングの今年1年の動向について、専門家はどのように発言しているでしょうか。その回答については、『Network World』 に戻り、「 2018年にネットワーキングが良い方向に変わっていくための3つの方法 [英語] 」 というタイトルの記事を見てみましょう。要約すると、オートメーションが 「ビジョンの枠を超え、完全に稼働可能な状態になる」 につれ、ネットワークの統制者としての存在感を頻繁に目にするようになります。

    ネットワークエンジニアの生活は変わるでしょう。『Network World』 で説明されているとおり、「ネットワークにおけるこの高度なオートメーション化により、ネットワークエンジニアの時間に余裕が生まれ、より関心の持てるプロジェクト、つまり単に運用を続けるのではなく、収益を生むプロジェクトに時間を費やすことができるようになります。勤務時間のすべてをトラブルシューティングに費やしているネットワークオペレータがいたとして、そのプロセスが自動化されると、かつて10台のネットワークデバイスを管理していた人物が、1,000台のネットワークデバイスを管理できるようになったり、または次世代の自己調節型モニタリングシステムに着手できるようになります。マネージャーやネットワークエンジニアのキャリア機会にさらに期待できるようになります。」

     2018 Networking Predictions.jpg 『CRN』 紙の記事 「 2018年のネットワーキングに関する10の予測 [英語] 」 は 『Network World』 のオートメーションに関する言及に力を貸すもので、顧客の要望はインテントベースのネットワークの成長を促進することを予測しています。「ソフトウェアデファインド、インテントベースまたはアウトカムベースのネットワーキングでは、組織が適切なネットワーク経路をシームレスに選択し、ネットワークトラフィックに望ましい優先順位を割り当て、すべての場所でネットワークの健全性を確保することができるようになります。」

    最後に、「 2018年にウォッチすべきエンタープライズネットワークのトレンド [英語] 」 というタイトルの別の記事で、『Network World』 は SD-WAN に関して次のような将来を予測する文章を書いています。「ソフトウェアデファインド WAN 技術は業界全体を風靡しており、2017年には新興技術であったものが2018年にはメインストリームに成長します。」 WAN 仮想化技術では、VPN、ファームウェア、インターネット接続がソフトウェアに集約されるため、支部でのハードウェアの必要性を (置き換えることはなくても) 低減します。

    これらの予測すべてが2018年に現実のものとなる、または少なくともその動きが固まったら、実に多忙な1年になるでしょう。どの予測が現実に起こると思いますか?他にもこのリストに追加したいものはありますか?下のコメント欄でお知らせください。

    また、この記事で説明したスキルに関して、トレーニングや認定を通じて開発する価値があることを確信したい方は、 こちら [英語] をクリックしてください。

     

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    ゲイリー・ファイザー は Learning@Cisco のコンテンツマネージャーであり、ビジネス誌、ブログ、顧客のサクセスストーリー、その他の執筆を通じて、現代の IT 分野のさまざまな側面に光を当てることに注力しています。

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