Cisco SME になるには

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    Cisco SME とは

     

    はじめに

    皆さんは私のことを知らないかもしれませんが、私の仕事の一部についてはよくご存知なのではないでしょうか。私はさまざまなシスコ試験の問題を作成している専門家(SME)です。この記事の目的は、SME が皆さんにとって価値あるものか判断していただけるように、その役割がどのようなものか説明することです。私の経験は、皆さん(読者)が SME になったときに経験するものとまったく同じではないかもしれませんが、少なくともおおよその輪郭をつかむのには役立つはずです。

     

     

    SME の役割

    SME の役割は高品質の試験問題の作成に関与することです。SME の一般的な職務を次にいくつか示します。

     

    • 筆記試験の問題を作成および編集する。

    • 筆記試験の問題をレビューする。

    • 職種分析(JRA)ミーティングに参加する。

    • 職務分析(JTA)ミーティングに参加する。

    • 基準設定ミーティングに参加する。

     

    SME に選ばれたあとに初めて割り当てられるのは、おそらくいくつかの試験問題を作成する仕事です。通常は特定のブループリント トピックが割り当てられ、それについての問題を書くことになりますが、場合によっては自分で自由にトピックを選ぶこともできます。もちろんこれはその時点でのニーズによって異なります。詳細は試験プログラム マネージャから伝えられます。作成する各問題は、特定の試験レベルの平均的な受験者が備えておくべき一定の知識レベル(難度)に対応したものでなければなりません。このレベルは、その特定のレベルの実際の業務で見られるタスクとスキル レベルの継続的な分析に基づいて決まります。言うまでもありませんが、目指すべきレベルは、問題を作成する試験のレベルによって異なります。CCNA、CCNP、または CCIE レベルの受験者の一般的なタスクは、当然のことながら同一ではありません。

     

    SME の仕事で扱う一般的な問題タイプは次のとおりです。

     

    • 複数選択肢単一選択(MCSA)。

    • 複数選択肢複数選択(MCMA)。

    • 拡張対応付け(別名:ドラッグ アンド ドロップまたは DND)

     

    また、シムレットを扱うこともあるかもしれません。ただし、私自身はシムレットに関わる仕事をしたことはありません。シムレットは主にシスコ社内で作成されるのではないかと思います。

     

    プロジェクトに選ばれると、試験プログラム マネージャから、プロジェクトに参加するよう正式に招待する電子メールが届きます。これにはプロジェクトの概要の説明が含まれています。たいていの場合、まずは WebEx でのブリーフィング(約 1 時間)に招待されます。そこで適切な問題文(ステムと呼ばれます)と効果的な選択肢(1 つまたは複数の正しい選択肢と、もっともらしく思えるもののどんな状況でも正しくないその他の選択肢)の作成方法に関するガイドラインが提供されます。まず、解釈の余地がなく、簡潔で読みやすく理解しやすい言い回しで書かれたステムで始めるのが理想的です(複雑で長い文を避けるなど、米国の中学 1 年生レベルの英語を目指すべきです)。通常は、問題を実際に作成するときに参考にできるスライド資料を渡されます。たとえば、すべての IP アドレッシングは、RFC 1918、またはシスコがこの目的のために割り当てた特定のサブネットに従う必要があります。IPv6 の場合は、必ず 2001:db8::/32 の範囲(公式のデモ/ドキュメント用プレフィックス)内のものを使用します。このスライド資料には他にも役立つ情報が含まれているので、常に手元に置いておいてください。

     

    SME としていくらか経験を積むと、他の SME が作成した問題のレビューを任されることもあります。この仕事の目的は、問題の公正性、妥当性、技術的正確性を評価することです。評価は次のようないくつかの要因に基づいて行います(ただし、これらに限定されません)。

     

    • 実際の試験レベル(CCENT、CCNA、CCNP、CCIE など)に適合しているか。

    • 技術的に正しいか。

    • 図を追加すると理解しやすくなるか。

    • すでに図がある場合、その図は妥当かつ正確で、問題に関連しているか。

    • (受験者に想定されるスキルに照らして)簡単すぎないか、または難しすぎないか。

    • 自由な解釈は可能か。

    • 曖昧さやバイアスはないか。

    • 言い回しは明瞭かつ簡潔か。

    • 試験の現在のブループリントに整合しているか。

    • 問題を初めて読んだときに、どの解答を選択するか。

    • 問題は受験者の専門知識を実際に測れるものか。雑学的問題または暗記問題ではないか。

     

    皆さんが下した評価は収集され、同じ問題をレビューした他の SME からの評価と組み合わされます。その後、試験プログラム マネージャがそれを参考にして、実際の試験に適用する前に追加の作業が必要か、あるいはそのまま試験に適用できるかを判断します。レビュー プロジェクトも WebEx ミーティングから始まり、これから行うタスクについての関連情報がそこで提供されます。

     

    WebEx ミーティングが完了すると、実際の割り当て(作成またはレビューする問題の数)と期限が伝えられます。試験プログラム マネージャは、おそらくこの作業が各自の空き時間に行われるであろうことを認識しています。そのため、期限に遅れそうになった場合は、正直に伝えてください。通常は期限を延長できます。

     

    次に、JRA/JTA ミーティングについてお話しします。これらのミーティングでは、複数の SME が集まり、該当する職種が有しているべき専門知識の明確化、合格の最低限レベルの受験者(MQC)の定義、認定を受けるために必要な知識、スキル、および能力の定義、ブループリントの重み付けを行います。これらのミーティングは、試験の妥当性と最新性を保つために不可欠です。これらのミーティングの参加者に選ばれると、試験の発展に影響を与えられるようになるだけでなく、他の SME と情報交換することもできるようになります。

     

    最後に、基準設定会議に参加することで、試験フォームのカット スコアをどこに設定すべきか意見する機会が得られます。

     

    その他の活動として、学習マトリックス(旧称:合理化された準備リソース)などの準備資料の作成補助やブログの執筆などがあります。ブログを執筆すると、テクノロジーや試験、認定に関連するその他のトピックについての見方や考えを共有する機会が得られます。

     

    このように、SME の役割にはさまざまな側面があります。このことは、シスコ試験の最新性および妥当性を保つうえで SME が果たす役割の重要性を如実に表しています。

     

    SME に選ばれたとしても上記すべての活動への参加が保証されるわけではないので、ご了承ください。

     

    知っておくべきこと

    まず、参加するプロジェクトごとに機密保持契約(NDA)に署名するように求められます。これはもちろん、皆さんがプロジェクト中に目にするコンテンツを開示することが許されないためです。この手順は必須です。つまり、NDA に署名しない限り、プロジェクトには参加できません。

     

    NDA への署名にはそれ以外の意味もあります。たとえば、作成/レビューする問題と同じテクノロジー トラックの指導または講義を行うことはできません。この制限は、プロジェクトでの最後の活動から 1 年間適用されます(正確な期間は、署名した NDA に記載されています)。つまり、データセンター プロジェクトにかかわっている場合は、データセンター クラスの講義を行ったり、データセンター テクノロジー トラックの試験(どのレベルでも)を目指している受験生を指導したりすることはできません。もう 1 つ伝えておくべきなのは、CCSI は SME プログラムに参加できないことです。CCSI と SME は明らかに利害が対立するからです。

     

    作業の予想所要時間は、作成者のイマジネーションと問題作成スキルによって大きく異なります。最初は、適切な問題を作成する(そして念のために繰り返し繰り返し確認する)のにかなりの時間がかかるでしょう。しかし、経験を重ねれば、少し速く作業をこなせるようになるはずです。私自身は、1 つの問題を作成するのに 5 分~数時間かかります。かかる時間は、問題の詳細によって左右されます。たとえば、1 つのトピックに関するシンプルな問題か、それとも何らかの出力を提示して受験者に分析させる、ある種のシミュレーションを作成しているのか、といったようなことです。

     

    レビューにかかる時間も問題によって大きく異なります。簡単にレビューできる問題もあれば、すべて正しく曖昧さがないことを確認するためにシミュレーションを動かさなければならない問題もあります。

     

    経験から言うと、1 つのプロジェクトに 10 ~ 30 時間かかると考えてよいと思います。これぐらいかかると、一般的な作業期間である 2 ~ 4 週間ではおそらく間に合いません。

     

    試験のプロジェクトに参加するには、その特定の試験に関する有効な認定を保持している必要があります。したがって、CCNP ROUTE の問題を作成する場合は、有効な CCNP Routing and Switching 認定が必要です。最後に、特定の試験の問題を作成している場合でも、SME 自身が実際の試験を受ける資格は剥奪されません。受験は可能です。

     

    SME の報酬

    SME には仕事の対価は支払われません。ただし、通常はプロジェクトが完了した後に、試験プログラム マネージャから感謝の印として特定のオプションが提供されます。たとえば、現在の認定(作業対象のレベルと同等またはそれより下)の期間延長、自分で選択できる Cisco Press タイトル、試験バウチャーなどです。この情報は、試験プログラム マネージャから伝えられます。

     

    ただし、私にとっては、これは重要なことではありません。重要なのは、SME の仕事をする試験の各トピックについて、自分自身が情報を維持し、知識を磨いておける点です。これは自分自身のスキル レベルをさらに高めるのに役立ちます。言うまでもなく、あるトピックについて有意義な問題を作成するためには、そのトピックに関するしっかりとした知識が必要です。私自身は、SME の仕事を心から楽しんでいます。自分の知識を最新の状態に保てる利点だけでなく、シスコ試験の今後の方向性に影響を与える機会が得られます。受験生がテスト センターのコンピュータの前に座ったときに、公正で現実的妥当性のある試験を確実に受けられるよう、実際にお手伝いすることができます。これはコミュニティやシスコへの私なりの恩返しなのです。

     

    今後について

    興味がおありでしたら、シスコ認定の専門家募集プログラム [英語] ページにアクセスしてください。このページでは登録を行うこともできます。申込書を提出すると、提出された情報をシスコが確認します。経歴書や履歴書などの追加情報の提出を求められる場合があります。これは、皆さんが最初に選択したプロジェクトで働く資格があることを示すための証明となります。

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