思考がインテリジェンス レベルとキャリアの成功に与える影響(Marwan Al-Shawi)

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    思考がインテリジェンス レベルとキャリアの成功に与える影響(Marwan Al-Shawi)私は、今日多くの人が IT 業界の大きな変化と進歩に目を向けていることに気づきました。人々は、ソフトウェア定義型ネットワーキング、自動化、Internet of Things、クラウドなどの重要なトレンドが、業界だけでなく自らのキャリアや専門性の開発にどのような影響を与えるのかについて考えています。

     

    このようなトレンドは、IT 業界、特にネットワーキング分野の現在と将来の仕事に求められるスキルセットに大きな変化や変革が求められることを意味するため、ほとんどの人は頭を悩ませています。

     

    そのような変化に対して、人々は以下のような複雑な感情を抱いている可能性があります。

    • 変化を続ける市場で自分が受け入れられるだろうか。
    • 今後も現在と同じように多く求められ、優れたリソースとみなされるだろうか。
    • このような変化を受けて成功し続けることができるのか、それとも自分を差別化できないのだろうか。

     

    では、こうした考え方はどこから生まれ、物事の「思考」方法にどのように関係するのかを見ていきましょう。

     

    インテリジェンスのレベルや特定の物事に集中する能力といった、個人の資質が変わることはないと考えている人は、通常、常に自分の能力を示す必要が生じます。そして一貫して自らが確固たるレベルのインテリジェンスを持ち、自分自身と目的に忠実であることを証明せざるを得ません。

     

    私たちの多くは、このような概念に基づいた訓練や教育を受けており、たとえば新たな物事を学ぶことは可能ですが、実際に自分のインテリジェンスのレベルや人となりを変えることはできません。

     

    この考えを裏付けるのが知能指数(IQ)テストです。Wikipedia によると、「IQ スコアはクラス分け、認知能力のアセスメント、特定の状況における求職者の評価などに用いられるもので、学生が共通テストで点数を上げたとしても、記憶力、注意力、スピードなどの認知能力が向上するとは限りません」”

     

    こうした考えに基づき、IQ は本質的に学生や求職者の変えることができないインテリジェンス レベルを評価するものとなっています。

     

    完全に正しいというわけではありませんが、IQ テストの考案者である Alfred Binet 氏は当初、学校でうまくいっていない、または成果を出せていない子供を特定し、そうした子供を再び正しい方向へと導く教育プログラムを作成するためにこのテストを設計しました。Binet 氏は、自身の主な著書の 1 つである『Modern Ideas About Children』の中で次のように述べています。「現代の哲学者の数人は、個人のインテリジェンスは定量で、増やすことはできないと主張しています。私たちは、このような容赦のない悲観的な考え方に異議を唱え、対抗しなければなりません。練習、訓練、そして何よりメソッドにより、注意力、記憶力、判断力を高め、文字通りこれまで以上にインテリジェントになることができるのです」”

     

    さらに、Carol Dweck 博士は物事に対する人の考え方を(上述の)固定思考と成長思考という主に 2 つのカテゴリに分類しています。同博士によると、「成長思考というのは、自らの基礎は努力によって養うことができるものであるという考えに基づいているものの、応用と経験を通じてどのように変化や成長を実現できるのかは、(生来の才能、能力、関心などで)人それぞれまったく異なります」”

     

    そのため私は、前に進むことを無意識に阻む可能性がある自らが設けた限界を克服するため、これらの分類に従って自分を制限する思考を特定することが重要であると考えています。考え方が前進と成長にどのように影響するのかについて知りたい方も多いのではないでしょうか。

     

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    ここでは、簡単な例を紹介し、2 つの「思考」(「観点」)からそれを分析してみたいと思います。

     

    あなたが会社に出勤し、先週顧客に提案したソリューションが受け入れられなかったと上司から言われたとします。この知らせを聞いた後、休憩に出ようして車のタイヤがパンクしていることに気づいたあなたは、Uber のタクシーを呼ぼうとしたものの、モバイル アプリからのリクエストが承認されませんでした(その日にクレジット カードの有効期限が切れたようでした)。

     

    固定思考を持つ人は、顧客のニーズに最適であるという観点から、顧客に提案した設計やソリューションの正当性を主張する可能性が最も高いと考えられます。また、こうした状況では一般的に、拒絶されていると感じて失敗した気分になったり、落ち込んだ気分になったりすることもあります。

     

    一方、成長思考を持つ人はこのような状況を違った観点から見ます。まず、これは大きな災難ではなく、車のタイヤがパンクするというのは頻繁に起きることであり、不便は生じるものの、修理すればそれで済みます。Uber に関しては、クレジット カードの期限が切れているのであれば、代わりに普通のタクシーを利用できます。最も重要なポイントとして、このような思考を持つ人は一般的に、何か足りないものがあったのか、または単純に顧客へのより詳細な説明が必要であったのかを明らかにするために、顧客がソリューションを受け入れなかった理由を尋ねます。

     

    詳細な分析を行わなければ、仕事やプライベートなど、人生のあらゆる場面で自らの思考によってまったく違う方向に進んでしまうのは明らかです。

     

    では、キャリアの成功を実現するうえで、適切な思考はどのように役立つのでしょうか。

     

    私はこのブログの冒頭で、IT 業界とスキルセットの要件の変化について、人々が抱く可能性があるいくつかの感情や考えを述べました。

     

    ここで、これらの変化に関して、成長思考を持つ人がどのように考える可能性があるのかを見てみましょう。

    • これらの変化はどのような学習機会をもたらすのか。
    • スキルセットを市場の需要に対応させるために、学習と開発においてどの領域またはトピックに重点を置く必要があるのか、そして最大のメリットとして何が得られるのか。
    • キャリア パスでさらに、またはより迅速に歩みを進めるのに役立つ可能性がある、スペシャライゼーションの新たな機会や領域は存在するのか。

     

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    私の控えめな意見では、前進を思いとどまらせることにしかならない可能性がある意見や提案の検討に貴重な時間の「多く」を費やすのではなく、固定思考から抜け出すことが大切です。

     

    新しいテクノロジーやトレンドがどのような影響をもたらし、ネットワーク エンジニアリングの未来をどのように形成していくのかを述べた記事は多くあります。私はそれらを尊重するとともに、その内容にある程度同意しています。多くの人は、自動化とソフトウェアのプログラミングがネットワーク エンジニアリングの役割を引き継ぐようになると考えていますが、その影響は小さく、CLI の知識を持つネットワーク エンジニアが今後も重要な役割を果たすと考えている人もいます。

     

    上記の例では、どちらの意見もある程度妥当ですが、どちらか一方に偏れば先には進まず、不必要な懸念が生じて立ち止まってしまうことになりかねません。

     

    これらの変化が私たちに影響を与えるのかどうかを証明しようとするのではなく、自らの思考を成長思考に変え、変化を別の角度から見てみましょう。

     

    そうすれば、変化を脅威、懸念、損失などではなく、学習と能力の向上のための新たな機会やスキルセットと捉えられるようになります。そして最終的には、これによって将来の「デジタル化時代」での成功につながる新たなキャリア パスと機会が開かれる可能性があります。

     

    つまり、思考の内側に目を向けると、新たな視点で自らを見つめて、自分自身が現在物事をどのように見ているのか、そしてどのようにすればその視点に磨きをかけ、同じ物事を別の観点から見ることができるようになるのかを知ることが可能になります。

     

    思考の世界に目を向けると、2 つの異なる領域が一般的にどのようなものであるのかが明らかになります。

    1. 固定属性の領域 - 才能と賢明さを証明し、それらの特性を実証できることが重視されます。こうした能力を証明し続けようとすると、誰がより優れているのか、賢明なのか、才能があるのかといったことに関して、無意識のうちに自らが招いた、パートナーや同僚との争いに巻き込まれてしまう可能性があります。
    2. 成長と成功の領域 - 一方、この領域では常に新しい物事の学習と能力の向上が重視されます。 属性やインテリジェンスのような固有の資質は固定されたものではなく、 常に向上させることができる点を忘れてはなりません。 このように学習、能力の向上、決定、および実行に重点を置けば、インテリジェンスと才能を高めることができるようになります。

     

    最も重要なポイントとして、これはすぐに変化をもたらす魔法のレシピではありませんが、自分自身の現在の状況は過去の行動がベースとなっており、将来は現在の行動によって決まるということを覚えておいてください。

     

    拒絶されている、または失敗に終わったと感じた状況(面接でうまくいかなかったことや CCIE または CCDE 試験に挑戦して不合格になったことなど)を自己評価して、成長思考の観点からそれを見直し、何が足りなかったのか、重要な教訓として何が得られたのか、そして改善の機会があるのかどうかを明らかにしようとすることが重要です。

     

    著者について

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    シスコのシステム エンジニアである Marwan Al-Shawi(CCDE No. 20130066)は、『CCDE Study Guide』や『Designing for Cisco Network Service Architectures(ARCH)Foundation Learning Guide, Fourth Edition』をはじめとする、シスコ認定に関する人気のデザイン ブックを執筆した Cisco Press の執筆者です。Marwan は、シドニー工科大学でインターネットワーキングの理学修士号を取得しています。ネットワーク設計およびアーキテクチャのサポートと評価に携わっている同氏は、2012 年にシスコ ラーニング ネットワークにより Subject Matter Expert – Design に選出されました。また、同年にシスコの公式フォーラムであるシスコ サポート コミュニティ(CSC)で、そして 2014 年には Solutions and Architectures サブコミュニティにおいて、Cisco Designated VIP に選出されました。さらに、2015 年と 2016 年には、Cisco Champions プログラムのメンバーに選ばれました。

     

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