シャドー IT:適切に評価できていますか?

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    組織の IT チーム メンバーであってもなくても、「シャドー IT」という言葉を聞いたことがあるか、または実際作業に関わったことがあるのではないでしょうか。テクノロジー メディア企業、TechTarget はシャドー IT を、「企業内にあるハードウェアまたはソフトウェアで、組織の中心的な IT 部門がサポートしていないもの」と定義しています。TechTarget の定義 [英語] では、シャドー IT がネガティブな意味を持つ場合があることも認めています。その理由は、「IT 部門がシャドー IT を承認しておらず、シャドー IT を従業員が利用していることすら把握していないため」です。

    シャドー IT は、従業員が求めているテクノロジーの導入ペースやその利用に関する IT チームへの不満から生じたものです。TechCrunch はシャドー IT についての解説で何が起きているかをうまく説明しています [英語]。 大きな負担を抱える IT スタッフは、当然ながら、会社の収益に影響するプロジェクト(売上やカスタマー エクスペリエンスの向上を実現するプロジェクトなど)に集中する傾向があるというものです。その結果、ロジスティクスの改善など、あらゆる種類の社内の要求が後回しにされ、進歩を求める従業員のフラストレーションが溜まる一方になります。そして、従業員は自分の手で問題に対処するようになるのです。

    IT 部門を遠ざけるさまざまな誘惑

    InformationWeek の記事「Shadow IT: 8 Ways to Cope(シャドー IT:8 つの対処方法)」 [英語] の中で、West Gate Networks の社長兼リード ネットワーク アーキテクトである Andrew Froehlich 氏が、今の時代にシャドー IT が発生する根本原因を 3 つ挙げています。

    • 非常に速いペースで新しいテクノロジーが市場に投入されている:Froehlich 氏は次のように述べています。「特定の事業部門において最新の優れたテクノロジーがすぐさま有益であると見なされることはよくありますが、“ほとんどの IT 部門はそれほど急速に新しい IT ソリューションを提供できる構造になっていません」。
    • BYOD 現象:BYOD は、従業員が自分で使用するモバイル ハードウェアやソフトウェアを自分で選択するための新たな道を開きました。
    • クラウド コンピューティングと関連する Software as a Service(SaaS)および Platform as a Service(PaaS)アプリケーション:Froehlich 氏は、各部門がクラウドを利用して IT 部門を避ける可能性があると述べています。

     

    シャドー IT に潜む危険

    シャドー IT は些細な問題ではありません。シスコの調査を引用した CIO の記事 [英語] によると、一般的な企業の職場で使用されているクラウド アプリケーションは、IT 部門が承認しているクラウド アプリケーションの 15 ~ 22 倍に上るそうです。Forbes [英語] は、シャドー IT にはイノベーションの促進、柔軟性の向上、プロジェクト期間の短縮、煩わしい手続きの削減という形のメリットがあると認めていますが、以下のような各種の重大なリスクがあることも指摘しています。

    • 組織のサイロ化の促進shadow-it.jpg
    • 企業の繁栄に欠かせない職務横断的なコラボレーションに対する阻害
    • そして、他の多くの情報源でも挙げられている大きな問題があります。それは、セキュリティが脅かされ、前時代的になり得るという大きな危険です。シャドー IT という無法地帯では、テクノロジーの側面から見て、従業員がやりたいことを何でもしてしまうのです。

     

    さらにコストの問題もあります。セキュリティおよびネットワーキング関連のソリューション プロバイダーである Blue Coat Systems が 2015 年に実施したクラウド ファイル共有についての分析を取り上げた CSO の記事 [英語] によると、管理されていないシャドー IT が組織に及ぼした財務面の影響は平均で 190 万ドルに上ります。

    状況を複雑にしているのは、どれほど多くのシャドー IT が身近に存在しているかを多くの IT 部門が認識していない点にあります。ITProPortal の記事 [英語] によると、管理されていないクラウド アプリケーションがビジネスでどれくらい使用されているかを適切に把握している組織は、規模の大小を問わず、わずか 8 % です。

    シャドー IT に対する別の視点

    ここまでのシャドー IT に対する評価は気がめいるものばかりでしたが、ここで取り上げた多くの記事の中には、そのおおよその趣旨が実際には楽天的なものもあります。その理由は、シャドー IT、ならびに IT 部門がシャドー IT を適切に戦略に組み込む方法についての実際的な考え方がすでに公になっているためです。Forbes の記事の見出しは「Why CIOs Should Be Happy About Shadow IT(CIO がシャドー IT に対して楽天的であるべき理由)」というもので、シャドー IT を「分散された IT」というように「ブランド変更」することを勧めています。目標は、この状況を収拾するための IT 部門の取り組みを懲罰的なものにするのではなく、その取り組みを公にして、問題解決のために他のチームとプロアクティブに協力することです。

    TechCrunch の記事のタイトルは「It’s Time to Embrace, Not Fear, Shadow IT(シャドー IT を恐れず、受け入れるとき)」というもので、IT 部門のサポートなしでもビジネスを前進させることができるソリューション、特に、IT 部門に余力がないことが原因で忘れ去られたプロジェクトのソリューションを「シチズン デベロッパー」が迅速かつ容易に構築できるようにするべきだと主張しています。このアプローチとともに、セキュリティ対策を念入りに行います。TechCrunch の記事では、「企業はシャドー IT のセキュリティ リスクを、シチズン デベロッパーがもたらすイノベーションを妨げることの機会費用に照らして評価する必要がある」と述べられています。

    CIO の記事では、シスコがクラウド ガバナンス委員会を設置し、従業員が成功に必要なアプリケーションやサービスを利用できるようにしつつ、委員会がシャドー IT をチェックできるようにした理由が述べられています。

    InformationWeek の「Shadow IT: 8 Ways to Cope(シャドー IT:8 つの対処方法)」のスライド ショーをご覧ください [英語]。 IT 部門がシャドー IT に建設的に対処するための有意義なアイデアをいくつか確認できます。

    1. 評価時間を短縮する:事業部門のテクノロジーに関する新たな要求を IT 部門が評価する時間を短縮します。
    2. 導入プロセスを合理化する:著者である Froehlich 氏は、「テクノロジーの承認を迅速に行うための新しいプロセスを作成する必要がある」と述べています。
    3. クラウドを利用する:クラウドを利用すると同時に、認証、認可、アカウンティングに関する必要なメカニズムを作成することが推奨されます。
    4. プロアクティブになる:従業員が求める最新のテクノロジーを把握します。
    5. 許容されないものを補強する:コンプライアンスや規制に必ず準拠することが重要です。
    6. 予算の柔軟性を示す:Froehlich 氏は、「皆様が支払いを行いさえすれば、各部門が皆様と連携することにより前向きになるだろう」と述べています。
    7. IT 部門以外の事業部門と連携する:Froehlich 氏は、「事業部門内で適切な人を選び、彼らの IT ニーズをサポートすることに進んで取り組むことは、事業部門に存在する可能性がある反感を減らすのに大いに役立つ」と述べています。
    8. 短期間のシャドー IT の運用を許可する:シャドー IT の運用をただちに停止するという最大の誘惑に逆らい、その代わり、運用を変更/修正するか、廃止するか、あるいはそのままにするかについて、時間を取って評価します。

     

    これらの対処方法により、シャドー IT を暗い場所から光あの当たる場所へと移動し、すべての人の関心を最大限に高め、より適切に管理できるようになります。IT 部門は、問題に正面から生産的に向き合わなければ、問題を長引かせることになります。

    シスコのクラウド利用サービスのグローバル リーダー兼創立者である Bob Dimicco は、CIO の記事の中で次のように述べています。「従業員や事業部門が主張してきたことは実に明確です。彼らは自分で選択し、スピードと俊敏性を向上させることを望んでいるのです。IT 部門は現在、コントロールを失っています。なぜなら、組織や事業部門が、Web にアクセスできない、アプリケーションやサービスをすぐに利用することができない、生産性を上げることができないといった声を上げているからです」。

    皆様はシャドー IT の問題に関してどの部分に重点を置いていますか。IT 部門はイノベーションの推進とテクノロジーの管理の間のバランスをどこで保つべきだと思いますか。以下のコメント欄からコメントをお寄せください。

     

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    Gary Pfitzer は Learning@Cisco のコンテンツ マネージャです。ビジネス誌、ブログ、お客様成功事例、その他の執筆を通じて、今日の IT の変遷に関する様々な側面に光を当てることに取り組んでいます。

     

     

     

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