CCNA Routing and Switching の改訂:その背景

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    Cisco CCNA Routing and Switching 認定の前回の改訂から数年経ち、その間さまざまなことが起こりました。2013 年時点では、デジタル ビジネス変革、ネットワーク プログラマビリティ、ソフトウェア定義型ネットワーキング(SDN)、Internet of Things(IoT)、仮想ネットワーク サービスは、私たちにとってまだ一般的な言葉ではありませんでした。クラウドですら(勢力を増していたのは確かですが)、採用や導入実績という点で今とは比べものにならないほど影の薄い存在だったのです。

    それから 3 年が経過した今、状況は大きく変化しました。IoT の進展を契機に、あらゆる部門の企業や組織がデジタル化によるビジネスの俊敏性と革新性の向上に意欲的に取り組み始めました。こうしたビジネスのデジタル化を求める動きは、自動化とプログラミングを組み込んだソフトウェア駆動型ネットワークへのアーキテクチャ変革に拍車をかけ、ネットワークを企業の要件を満たすための、より効率的で戦略的な資産へと変えました。その結果、クラウドと分析をこれまでにない方法で活用できるようになりました。“ここ数年の一連の出来事は、もはや「変革」と呼んでも過言ではありません。

    この間、シスコはデジタル時代に向けたネットワーク アーキテクチャ、つまりシスコ デジタル ネットワーク アーキテクチャ(DNA)の構築に懸命に取り組んできました。Cisco DNA によってもたらされるネットワーク インフラストラクチャ基盤では、変化を加速したり、ネットワークからより多くのビジネス データを取り出したり、自動化を通じて生産性を向上させたり、セキュリティ上の脅威に対応できるようにネットワーク機能を拡張したりできます。Cisco DNA とそのメリットについて詳しくは、Anand Nuggihalli の投稿 [英語] や Jeanne Beliveau-Dunn と Rob Soderbery の投稿 [英語] をご覧ください。

    ありきたりのアップグレードではない

    こうした一連の動き全体が今回の Cisco CCNA Routing and Switching 認定 v3.0 の発表の背景を形作っています。今回の改訂はありきたりの改訂ではありません。ここ数年における業界の大きな変化に対応することと、ネットワーク管理者がこのような胸躍る激変の時代に合わせて進化していくために必要なトレーニングとスキル検証を提供することを目的とした重要な改訂なのです。

    新しい認定の内容について具体的に説明する前に、ネットワークの進化がネットワーク管理者の役割にどのような影響を与えているか詳しく見てみましょう。

    ネットワークの性質の変化 CCNA Routing and Switching update.jpg

    従来、ネットワーク管理者は、時間のかかるボックス単位方式でネットワークを展開していました。ネットワークのプロビジョニング、モニタリング、トラブルシューティングは一般に、ミスの起こりやすい面倒な手動プロセスでした。 コンピューティング サイクルのプロビジョニングはほんの数秒で済むこともありますが、ネットワーキングの機能やサービスの展開は遅れがちで、数週間または数ヵ月かかることもありました。

    真のデジタル対応ネットワークでは、こうした状況が一変します。閉じたハードウェア中心のデバイスは、オープンでプログラマブルなソフトウェア駆動型ネットワークに置き換えられます。 手動のボックス単位の管理は、ネットワーク全体に及ぶポリシー ベースの自動化に取って代わられます。 コントローラは抽象化によってネットワークをシンプル化し、一貫したポリシー適用が可能なプラットフォームを提供します。その結果、アプリケーションやサービスの展開にかかる時間が短縮され、それと同時にリスクが低減します。IT スタッフは、反復作業から解放され、空いた時間をビジネス戦略や新しいサービスの展開に充てることができます。

    従来のネットワークでは、データセンターのプログラマビリティは非常に限られたものでしたが、現在の柔軟で自動化されたネットワークでは、ネットワークのあらゆるセグメント(アクセス、WAN、コア)でプログラマビリティを実現できます。

    デジタル対応ネットワークでは、自動化プログラマビリティのほかに次の機能が提供されます。

    • 仮想化:ネットワーク仮想化により、ハードウェアがソフトウェアから分離され、あらゆるプラットフォームでサービスを実行したり、ネットワーク上でサードパーティのアプリケーションを実行したりすることが可能になります。
    • 分析:デジタル対応ネットワークでは、ユーザ、アプリケーション、デバイス、脅威に関する充実したコンテキスト情報を取得し、経営陣や IT 部門のより的確な意思決定に役立てることができます。
    • クラウド サービス管理:クラウドから提供されるサービス管理により、ネットワーク全体でポリシーとオーケストレーションが統合され、ビジネスの俊敏性が実現されるとともに、オンプレミス ソリューションのセキュリティと制御が向上します。

    ネットワーク管理者の実情

    これはとてつもなく大きな変化です。ネットワーク管理者にとってどのような意味を持つのでしょうか。そしてシスコは、こうしたネットワーク変革の真っただ中において、CCNA Routing and Switching トレーニングおよび認定プログラムをどのように適応させるのでしょうか。

    ネットワーク管理者は、自動化と仮想ネットワーク サービスを基盤とする新しいアーキテクチャを導入し、デジタル変革によってもたらされ、IoT の拡張に求められるネットワーク速度の向上、シンプルさ、洞察といったメリットを実現する必要があります。そのためには、CLI ベースのルーティングおよびスイッチング インフラストラクチャの操作から、ビジネスおよびアプリケーション ポリシー駆動のコントローラベースの操作に移行しなければなりません。こうした移行の過程で、ネットワーク管理者に求められる知識と技術の範囲が大幅に広がります。

    このような大規模なネットワーク進化を踏まえ、新しいバージョンの CCNA Routing and Switching 認定では通常より大きな改訂が行われています。シスコでは、CCNA Routing and Switching をアップグレードし、ネットワーク管理者がデジタル時代に対応できるように準備を進めています。その成果としてネットワーク管理者が期待できる主な変更点は次のとおりです。

    • プログラマブル ネットワーク(SDN)に関する知識とコントロール プレーンとデータ プレーンの分離がネットワークのプロビジョニング方法に与える影響に関する考察がプログラムに組み込まれました。ネットワークはビジネス クリティカルなポリシーによって駆動されるようになるため、ネットワーク管理者はそれに対応できるように、コントローラ ベースのアーキテクチャについて新しいスキルを身に付け、知識を広げる必要があります。
    • ブランチ オフィスやモバイル ワーカーの本社への接続は引き続き重要です。これを踏まえ、新しい CCNA Routing and Switching 認定では、Dynamic Multipoint VPN(DMVPN)、サイト間 VPN、クライアント VPN テクノロジーなどの広く利用されている VPN テクノロジーに再び焦点が当てられています。
    • IoT により、ネットワークに大きな課題がもたらされ、IPv6 の導入が求められています。そのため、この最新版の CCNA Routing and Switching 認定では、IPv6 ルーティング プロトコル、IPv6 の設定、IPv6 に関する知識にいっそうの注意が払われています。
    • エンタープライズ ネットワークでは、ネットワーク機能の仮想化とクラウドベースのリソースの相互作用がますます拡大します。そのため、ネットワーク管理者の期待に沿えるように、こうした主要なテクノロジー変化を CCNA Routing and Switching プログラムに組み込みました。
    • また、ビジネス成果を達成するためには、QoS の概念に関する知識と重要なトラフィックを適切に優先順位付けする能力が不可欠です。そのため、QoS に関するトピックを CCNA Routing and Switching 認定に追加し、エンタープライズ ネットワーク内での輻輳管理に必要なマーキング、シェーピング、ポリシング メカニズムについて説明しています。

    皆様の多くは、こうした業界の変化を受けて CCNA Routing and Switching 試験が実際にどのように変わるのかをもっと詳しく知りたいと思っているのではないでしょうか。皆様の要望に応えられるように、シスコ ラーニング ネットワークのコミュニティ マネージャである Karlo Bobiles のブログ記事をご紹介します。このブログでは、Karlo が ICND1、ICND2、CCNA(複合)試験から削除されるコンテンツと各試験に追加されるコンテンツを具体的に説明しています。また、CCNA Routing and Switching のアナウンスメント ページもご覧ください。要件の変更時期に関する最新情報が記載されています

    ネットワーク管理者の役割の重要性は、今後もずっと変わることはありません。米国労働統計局によると、ネットワーク管理者、ネットワーク サポート スペシャリスト、コンピュータ ネットワーク アーキテクトの雇用は 2024 年までに 31 % 以上増加すると見込まれています。

    今回の重要な改訂には、ネットワーク管理者がその業務内容の進化についていくために学習しなければならない新しいトピックが多数含まれています。今回の改訂についてのコメントを下にお寄せください。

     

    最新の IT 業界のニュースとシスコだけの教育サービスをご確認ください。今すぐ登録

     

    gary48a.jpg

    Gary Pfitzer は Learning@Cisco のコンテンツ マネージャです。ビジネス誌、ブログ、お客様成功事例、その他の執筆を通じて、今日の IT の変遷に関する様々な側面に光を当てることに取り組んでいます。

     

    CLNBanner