設計課題 - パート 2(Mohamed Sobair)

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    課題の解決 – パート 2(Mohamed Sobair 担当)

     

    現在のネットワーク設計手法:
    課題の解決

     

    このシリーズの最初のブログ「設計課題 – パート 1(Mohamed Sobair)」で、あるネットワーク設計の課題を取り上げました。“「CCDE:それではどうするか」”という別のブログで述べた手法を、この課題に適用することを目標としています。その手法に従って課題を分析して、最適なソリューションを見つけてみましょう。

     

     

    この課題におけるビジネス要件を挙げます:

    1. Vision Tier 2 ISP には、コスト効率の高いソリューションが必要。

    2. Vision Tier 2 ISP には、ビジネスの継続性が必要。

    3. Vision Tier 2 ISP により、 3 都市間におけるデータ(ユニキャストおよびマルチキャスト)、音声、VPN サービスの提供を実現する。

     

    この課題における技術要件をすべて挙げます:

    1. ソリューションの拡張性。

    2. ソリューションの簡易性。

    3. 物理層およびコアの復元力。

    4. ポリシー制御の精度の向上。

    5. 都市内(POP 内)接続。

    6. 都市間(POP 間)接続。

     

    要件と制約に照らし合わせて、すべてのオプションを比較します:

    課題を解決するために、すべての要件とすべてのソリューションを次のような表にまとめます。

     

    ヘッダー 12 つの水平 RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計(設計オプション 1)2 つの垂直 RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計(設計オプション 2)都市のすべての RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計(設計オプション 3)都市の各 RR を単一の BGP クラスタに配置する BGP コンフェデレーション(設計オプション 4)都市の 2 つの水平 RR を別々の BGP クラスタに配置する BGP コンフェデレーション(設計オプション 5)

    都市の 2 つの垂直 RR を別々の BGP クラスタに配置する

    BGP コンフェデレーション(設計オプション 6)

    ビジネスの継続性/復元力完全に要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす完全に要件を満たす一部の要件を満たす
    拡張性完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす
    簡易性完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす
    ポリシー制御一部の要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす
    MP-BGP の機能完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす完全に要件を満たす
    都市内(POP 内)接続完全に要件を満たす要件を満たさない要件を満たさない要件を満たさない完全に要件を満たす要件を満たさない
    都市間(POP 間)接続完全に要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす一部の要件を満たす完全に要件を満たす一部の要件を満たす

     

    それぞれのオプションを選択する理由(適切である理由)と選択しない理由(不適切である理由)を説明します:


    オプション 1 - これが、この場合の最良オプションです。都市の両方の RR を単一のクラスタに配置する階層型 RR 設計では、以下を実現できます。

    1. 復元力:2 つの水平 RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計では、コアだけでなく POP も復元力を備えます。つまり、クラスタ内の 1 つの RR に障害が発生しても、2 つ目の RR が都市内および都市間の接続を引き継いで提供します。物理リンク障害が発生した場合も、同様のことが可能です。

    2. 拡張性:PE ルータは、対応するクラスタ内の RR のみとピアリングし、すべての PE ルータが相互にピアリングする必要がないため、このオプションは非常に高い拡張性があります。LSP は、PE ルータ間にエンドツーエンドで作成され、TCP 接続数を最小限に抑えます。

    3. 簡素化:ルート リフレクションは、コンフェデレーションと比べ、よりシンプルで拡張性の高いソリューションです。設定と管理が簡単で、サブ AS BGP コンフェデレーションのフルメッシュ要件のような複雑さはありません。

    4. ポリシー制御:RR は、コンフェデレーションと比べてポリシー制御に制限があります。階層型 RR ポリシーは、境界の外側で提供可能です。一方、コンフェデレーション BGP では、ポリシーはサブ AS 内と境界の外側で提供可能です。

    5. 都市内(POP 内)接続:各 POP の水平 RR は、それぞれ異なる BGP クラスタにあり、一方の RR に障害が発生しても、上位と下位の POP 間にセカンダリ パスを提供して BGP の更新が拒否されないようにするため、都市内(POP 内)接続が可能です。同じ BGP クラスタ内では、1 つの RR が POP 間の接続を提供し、セカンダリ RR がスタンバイします。

    6. 都市間(POP 間)接続:階層型 RR 設計のため、都市間(POP 間)接続が可能です。都市「1」と都市「3」両方の RR が、異なる BGP クラスタ内の都市「2」の RR とピアリングし、都市間接続を提供します。これは、都市間接続のスケーラブルかつ実行可能なソリューションとなります。これにより、クラスタ内の RR を、異なる BGP クラスタ内にある RR のクライアントにすることができます。また、必要なループ防止機能も提供します。

     

    オプション 2 - 2 つの垂直 RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計:このオプションで注意しなければならない問題は、上位ネットワークと下位ネットワークのどちらか一方だけが復元力を持つということです。このオプションでは、POP 内接続は提供されず、POP 間接続も一部しか提供されません。基本的にコアが 2 つに分割されるため、復元力も部分的なものになります。上位 POP と下位 POP は互いに分離されます。また、この BGP RR 設計では、ポリシー制御が BGP 境界の外側に適用されるため、部分的なポリシー制御となります。

     

    オプション 3 - 都市のすべての RR を単一の BGP クラスタに配置する階層型 RR 設計:オプション 2 と同じ問題が生じます。

     

    オプション 4 - 都市の各 RR を単一の BGP クラスタに配置する BGP コンフェデレーション:オプション 2 およびオプション 3 と同じ理由です。さらに、ルート リフレクションに比べて、BGP コンフェデレーションの設定、管理、トラブルシューティングは単純でないため、簡易性は部分的なものになります。また、BGP コンフェデレーションには、BGP ルート リフレクションや階層型ルート リフレクションほどの拡張性はありません。BGP RR の場合、iBGP ピア内のフルメッシュの必要性が完全になくなるわけではありませんが、BGP コンフェデレーションの場合は、サブ AS 内で iBGP ピアを必ずフルメッシュ化する必要があります。

     

    オプション 5 - 都市の 2 つの水平 RR を別々の BGP クラスタに配置する BGP コンフェデレーション:これは、オプション 1 に次ぐオプションです。このオプションには、簡易性と拡張性の点でオプション 4 と同様の制約があるため、オプション 1 より劣ります。

     

    オプション 6 - 都市の 2 つの垂直 RR を別々の BGP クラスタに配置する BGP コンフェデレーション:オプション 4 と同様の問題が生じます。

     

    まとめ:

    ネットワーク設計において、あらゆる分野のテクノロジーに精通し、その知識を用いてさまざまなソリューションを比較検討することは重要です。それにより、顧客の要件を満たすだけでなく、採用する設計の根拠を説明できるようになります。最良のオプションをはっきりと特定するのが難しいこともあります。多くの要件が関係する場合は、特にそう言えます。

     

    著者について

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    Mohamed Sobair は、CCIE# 29645、MSc、ITiLv3、JNCIS、PMP の取得者で、IT 業界で 10 年以上の業務経験があり、さまざまな企業、電気通信事業者、ISP のお客様にソリューションとコンサルティング サービスを提供しています。彼は現在、シスコのエキスパートレベル プログラムの専門家としてボランティアで活動しています。Mohamed は設計とアーキテクチャに情熱を注いでおり、普段は CLN とシスコ サポート コミュニティのシスコ テクノロジーに関するディスカッションに参加して意見を投稿しています。

     

     

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