ネットワーク設計者の思考プロセス パート2(Cary Chen)

    本ページは英語ドキュメントを翻訳したものです。

     


     

    ネットワーク設計者の思考プロセス パート 2:Cary Chen以前のブログ(「ネットワーク設計者の思考プロセス パート 1」)では、簡単な設計例と予備分析を示しました。このブログでは、私のネットワーク設計へのアプローチ方法と最終的な設計ソリューションについて説明します。

     

    ネットワーク設計の開発

    ネットワーク設計オプションを開発するときに考慮することは何でしょうか。私は、OSPF エリア設計は OSPF の安定性、拡張性、コンバージェンス、最適なルーティング、他の機能との相互作用や、運用、メンテナンス、トラブルシューティングのしやすさに影響を与えると考えています。どのような設計オプションがあるでしょうか。

     

    • オプション 1 – OSPF ドメイン全体の中の単一の OSPF エリア
    • オプション 2 – OSPF ドメイン内の複数のエリア:このオプションを選択した場合、次のステップはエリアを設計することです。つまり、標準エリア モジュールとエリア境界を定義し、ABR を特定して、スタブ エリアや NSSA などについて検討します。この記事では、マルチエリア設計の詳細については説明しません。

     

    シングル エリアの長所

    • 常に最適な OSPF パスが選択されます。どのルータにも OSPF ドメイン全体の完全なトポロジとルーティング情報があるからです。
    • 最適なルーティングが行われるので、トラフィック遅延の最小化が期待できます。
    • シングル エリアの設定はマルチエリアよりも簡単です。
    • シングル エリアでは、ソフトウェア障害や人的ミスが起こりにくいと考えられます。
    • トラブルシューティングが簡単です。
    • MPLS TE と FRR の導入が簡単です。

     

    シングル エリアの短所

    • より強力な CPU とより多くのメモリがルータに必要になります。より多くの LSA、より大きな OSPF トポロジ、そしてより多くのルーティング情報を処理する必要があるからです。これは最新の ISP ルーティング プラットフォームにとってはそれほど大きな問題ではありません。
    • また、OSPF コンバージェンスの速度が低下する可能性もあります。ただし、iSPF 機能が OSPF コンバージェンスの向上に役立つ場合があります。
    • テーブル サイズが大きくなるので、RIB/FIB ルーティング テーブルの更新に時間がかかります。
    • OSPF ルートの数は、PE ルータの巨大な BGP テーブルと比べると重要ではありません。

     

    マルチエリアの長所と短所は、一般にシングル エリアの逆です。ABR でのルート集約が適切に設計されていれば、PE ルータ間の最適なルーティングが実現します。

     

    設計オプションの比較

    設計オプションはすべての要件を満たせるでしょうか。各オプションを分析した結果、両オプションはすべての要件を満たせると思います。続いてネットワーク設計者の仕事の難しい部分(楽しい部分と呼ぶ人もいます)です。それは実行可能ないくつかの設計オプションの中から最適なオプションを選ぶことです。

     

    シングル エリア OSPFマルチエリア OSPF
    99.999 % のネットワーク可用性200 台のルータによる適切な復元力設計で実現可能200 台を超えるルータによる適切な復元力設計で実現可能
    トラフィック遅延の最小化

    適切な帯域幅容量計画で実現可能

    常に最適なトラフィック パスを使用

    適切な帯域幅容量計画と適切なルート集約設計で実現可能
    100 ミリ秒未満でのトラフィック コンバージェンスPE 間コンバージェンスには MPLS FRR または IP FRR が必要PE 間コンバージェンスには MPLS FRR または IP FRR が必要
    財政投資ルータはすでに購入済みなので、設計は財政投資には影響しないルータはすでに購入済みなので、設計は財政投資には影響しない
    ネットワーク拡張のサポート

    私は、ISP のネットワークで、200 台を超すルータで構成された OSPF バックボーン エリアが正常に稼働しているのを何度か目にしたことがあります。BGP やその他すべてのプロセスを含めた大局的見地から見た場合、OSPF は拡張阻害要因ではありません。

    シングル エリア設計が拡張に及ぼす影響は大きくない

    200 台を大きく上回る台数のルータで構成される OSPF ドメインをサポート可能
    導入のしやすさシングル エリア設計では、MPLS TE/FRR の導入がはるかに簡単で、制限が少ない

    エリア間 MPLS TE の導入はより複雑

    制限が多い

    運用、メンテナンス、トラブルシューティングのしやすさ非常に簡単より複雑
    実稼働ネットワークで実証済みか

    実証済み。一部の ISP はシングル エリア設計を採用しているが、IS 間ネットワークではシングル レベル 設計を使用するほうがはるかに一般的

    実証済み。大規模な Tier-1 および Tier-2 ISP のほとんどが、ネットワーク規模の大きさを理由にマルチエリア設計を採用している

     

    最適な設計オプションの選択

    上記の比較に基づいて考えると、シングル エリア設計オプションのほうがより魅力的に思えます。理由はそのシンプルさです。私にとって決め手となるのは MPLS TE の導入のしやすさです。

    要約すると、ネットワーク設計者の仕事は、与えられた情報と要件を分析すること、足りない情報を見つけ、それを適切な質問で入手すること、すべての要件を満たす設計オプションをいくつか開発すること、それらを比較して適切な妥協を行うこと、そして設計目標を達成するのに最適なオプションを選択することです。

     

    著者について

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    Cary Chen は CCDE #20130038 およびダブル CCIE #14263(SP および SP オペレーション)であり、シスコ アドバンスド サービスのマネージャです。Cary は、15 年間にわたって ISP のお客様をサポートし、ISP ルーティング プラットフォームを開発してきました。彼は ISP のお客様と協力して次世代ネットワークを設計する仕事を楽しんでいます。

     

     

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